「ととさまの名は」2014.5.2

「淡路島には玉ねぎ以外にも有名なものがいっぱいあるの。

人形浄瑠璃を村の人たちで演っていて、よく見に行ったわ」

とNさんが言われるので

「 ”巡礼にご報謝〜” というやつですか?」と訊くと、隣にいらしたSさんが

「あら!若いのによく知ってるわね」と驚いてくださったので、

「 ”ととさまの名は阿波のじゅうろべえ…” 」と言うと

「 ”かかさまはお弓と申します〜” 」と続けてくださいました。

 

「玉ねぎ娘」2014.4.30

玉ねぎで有名な淡路島出身のNさんに
 

「そろそろ新玉ねぎの季節ですね?」と話かけると
 

「うちは農家じゃなかったけど、そういえばそうね。
 

玉ねぎ畑は多かったけど、今ほど有名じゃなかったわ」
 

そして、ふと思い出したように、
 

「女学校の生徒はみんな、玉ねぎ娘と呼ばれていたのよ」
 

ふふふと、さも楽しそうに笑われました。


陸前高田・南三陸 被災地訪問 裏レポート

【東京発午前8時48分】
2014年4月15日。東北新幹線やまびこ43号で頼子・順子・君子・アベの4名は一ノ関へ向かった。被災地の現状をこの目で見てみたい、南三陸の海の幸を心ゆくまで味わってみたい、という情熱にかられての旅立ちであった。
 
【嵐の予感】
東京駅で昼食のための駅弁を購入し、指定席に座る。列車が動き出して間もなく、君子が駅弁を広げる。
「え、もう食べるの?」「お腹すいちゃったから〜」。まだ9時である。
朝食のロールサンドを食べたばかりのアベは “そういう手もあったか” と少し悔やむ。
頼子と順子は「君ちゃん、早すぎ!」 と笑っていたが、美味しそうに食べる君子に触発されたのか、30分もすると 「やっぱり食べよう」 と包みをほどく。「今食べたら、お昼どうするの?」 と訊くと 「今、半分だけ食べる」 と言って、二人でおかずの取り替えっこなどしている。
最初から足並みの揃わないこの4人の行く先に、嵐の起こらないはずはない。
 
【巨大コンベア】
 被災地支援をしているチームの車2台に分乗させてもらって、一ノ関から陸前高田市へ向かう。
予備知識を仕入れて来なかったアベは目の前の光景に唖然とする。巨大コンベア、列を作るダンプカー。人の姿の全く見えない大規模土木工事現場に、これが“復興”というものなのだろうかと、珍しく無口になる4人であった。
 
【野セリは美味しい】
南三陸町の仮設のHさんのお宅で、野セリのおひたし、白菜の漬物、イチゴをいただく。遠慮なく「美味しい、美味しい」とパクパク食べたあげく、残ったイチゴとミカンを包んでもらう厚かましさである。
ご馳走になったからではなく、Hさんは素敵な女性だった。
津波で何もかも失くされたはずなのに、震災前に亡くなったというご主人の位牌と遺影があるので、「よく持ち出せましたね」 と伺うと、「自衛隊の人が、潰れた屋根に穴をあけて中にもぐって探し出してくれた」ということだった。
 
【南三陸丼とかもめの湯】
南三陸丼「食事と大風呂がおススメです」と案内してもらったホテルで夕食。
君子とアベは“南三陸丼”を注文したが、いやもう、美味しいのなんのって。イクラなんてキラキラなんだぜ! もうこれで横浜に帰ってもいいや、と思っていたら、途中でウェイターが「失礼しました。コレを乗せ忘れましたので」と小鉢を持って来た。三陸名物の生ウニである。
「そこ、一番大事なとこだから!忘れたじゃないでしょ!」と叫びそうになるのを堪える。
三陸のウニは横浜のウニとは全く別の物だった。フルーツのような甘さと香りである。
頼子と順子の膳には天ぷらが付いているが生ウニは付いていない。勝った!
ちなみにイクラもウニも卵なので、卵乳菜食のアドベンチストが食べても構わないのだ。
食事の後、4人は温泉に入る。 と思いきや、君子だけ入らないと言う。
「タオルを車に置いてきたし〜」 「買えばいいじゃん」 「恥ずかしいし〜」 ということで、「ほんじゃ、3人で入ってきます」 と、他の人を待たせたまま、とっとと大浴場に向かう。
この温泉がまた良かった。露天風呂の真下は海で、カモメが波に浮かんだり飛び交っているのが夜目にもはっきりと見える。泉質も良く、湯が柔らかく感じる。
「はあ〜、極楽、極楽」とクリスチャンらしからぬセリフを口にする3人であった。
 
【お茶っこで盛り上がる】
絵手紙2日目は、2か所の仮設住宅で、Sさんが開く絵手紙の会を見学する予定だった。なぜか前日に“アベが歌を歌う”という話が出ていたが冗談だと思っていた。ところが移動中の車内でSさんが 「昨年訪問の西日本女性会は、手芸のワークショップや歌や踊りと、いろいろしてくれた」 と、悪意は無いが、あからさまなプレッシャーをかけてくる。歌えと言われれば歌うが、伴奏もなしでいきなり 「歌います!」 というのもなんだかなあと思い、まあその場の流れで、とお茶を濁す。
仮設住宅の談話室で“お茶っこ”しながら、絵手紙を教えてもらう。線がふらついてもそれなりに味が出るので、結構いい感じである。絵の上手い頼子は指導にまわり、アベは歌を歌い、順子も君子も仮設の方たちと親しく話をしている。さすが“八王子教会の宴会要員”と呼ばれる4名である。いや、呼ばれてないけど。

【一瞬、真面目になる】
東京で震災の話が出ると、「やっぱり大変なのは福島よね」と言ったりする。放射能に汚染された土壌・海水。 海はつながっていて、放射能は広がる。けれど、仮設住宅での生活に耐え、漁業が再開したことを喜ぶ南三陸の人たちの前で、簡単に「フクシマ」という言葉を口にすることはできない。そう思った。
 
【旅はまだ続く】
2日目の夜遅く東京に帰ることもできたが、せっかく東北まで来たんだし、ということで、一ノ関でもう1泊。
夕食は支援チームのお二人に、郷土料理の店に案内してもらう。
「お餅と“はっと”というのが名物で美味しいんですよ」 と勧めてくれるのに、「あっ、ピリ辛牛肉餅、美味しそう!」 と、違うメニューを注文する4人。まったく人の話を聞かないヤツらである。
よくぞ付き合ってくださいました、と お二人に感謝状を差し上げたいぐらいであった。
 
【クロネコの手を借りる】
あちこちで頂いたワカメがずっしりと重い。荷物を持つのが嫌いなアベは旅行先では土産を買わない。しかし貰ったものは絶対に持って帰る。ホテルから自宅に宅配便を出すことにした。この先もう要らない物と一緒にダンボール箱に詰めていると 「わたしも送ろうかな〜」 と君子が言う。ふと見ると君子の荷物はアベの4倍である。「送ったほうが…絶対いいと思うよ!」
 
【中尊寺】
ホテルで朝食を摂った後、2駅先の平泉に行く。13時48分発の新幹線で帰るので、几帳面な順子が綿密に時刻表を調べている。気は強くとも体の弱い頼子の体調が心配されるが、頑張って一緒に行くと言う。
平泉と言えば中尊寺である。世界遺産である。しかし気候も天気も良いのに観光客はほとんどいない。
「こんなとこまで来ないよね」 「首都圏からだと日光東照宮で手を打つよね」。どこまでも失礼な4人である。
金色堂へ続く坂を上っていると、頼子と順子が遅れていることに気付く。
心配しながら待っているとタラタラと歩いてきて、途中で“弁慶餅”を食べていたと言う。一緒に歩き出すと、むしろ頼子のほうが足が速い。体調が悪くてこれなら、絶好調のときはどれだけパワフルなんだ、と恐れを抱くアベであった。
 
【お巡りさん】
一ノ関駅前で昼食を食べることにする。東北での最後の食事だから美味しいものを、と物色していると頼子が、「交番で訊いてくる」 と言う。 いいのか? 道を訊くならいざ知らず、美味しいお店はどこですか? などと職務中のお巡りさんに訊いてもいいのか? と、びびるアベを尻目に、「イケメンのお巡りさんだったわ。あとで一緒に写真撮らせてもらおう」 と情報収集してきた頼子に、怖いものはない。
 
【後日談 報告の報告】
教会への報告用と私用のために、アベはザクティとiPodを持って行ったのだが、ザクティの写真はすべて失敗していた。手元にあるのは料理の写真だけである。これでは報告書が書けない!と思い、頼子に「報告書を書いてください」と頼むと「や〜だよー」と予想通りの返事である。交渉の末、銀座せんべい5枚で裏取引が成立したが、清廉潔白な順子団長から「不正取引は許さない!」との判決が下った。もはや書くしかない。
楽しい旅だったが、遊んできただけのように思われたら困るので、真面目な人間を装って報告書を完成させた。
しかしこれでは真実を伝えられない! との思いから書いたのがこの“裏レポート”である。
エピソードはまだまだあるが、おねーさんに殴られるのはいやなので、この辺で。

 

「鯉のぼり」2014.4.28

がっしりした体格の男性Nさんに
 

「子どもの頃、家で鯉のぼりをあげてました?」と訊くと
 

「小さい頃は病気がちで。元気に育つようにと、立派なのをあげて貰いました」
 

「体が弱かったんですか?」
 

「寒い地方だったせいか、兄弟も4人失くしてるんです」
 

「それはご両親も、おつらかったでしょうね」
 

「そのせいで大切にされて。畳の上にクマの毛皮を敷いて、
 

その上にふとんを敷いて寝ていました」
 

鯉のぼりを見上げながら話してくださいました。


「ばら寿司」2014.4.23

Aさんは明日、100歳の誕生日を迎えます。

「出身は岡山なの」
 

「きびだんごと桃の美味しい岡山ですね?」
 

「マスカットも美味しいのよ」
 

「 ”ばら寿司” も有名ですよね?」
 

「そうそう!お祭りやなんかの時はいつも ばら寿司なの」
 

「お客様にふるまうんですか?」
 

「親戚や近所の人なんかにも。家ごとに味が違って、

あそこの家のは美味しいとか、あそこはまあまあとかね」
 

「Aさんもよく作られました?」
 

「私が子供の頃はどこの家でもおばあさんが作っていたけど

私がおばあさんになった頃にはあまり作らなくなったわね」
 

懐かしいわ と微笑まれる、笑顔の可愛いAさんです。
 


「宝の缶詰」 2014.4.21

 車イスでスタンプラリーに参加のUさんは

「こどもの頃、夏休みに海岸で宝さがしをしたなあ」

「宝物をどこに隠すんですか?」

「砂の中に埋めてあるんだ」

「それは分かりにくいですね。どんなものが隠してあるんですか」

「缶詰だね。パイン缶とか。あっちこっちに」

「えっ? 見つけると貰えるんですか? それはチカラが入りますね」

「走り回って必死で探したね」

缶詰を賞品にすれば、盛り上がること間違いなし!

 

「北海道コーヒー」2014.4.14

 北海道出身の男性 Kさんはコーヒー好き。

 

「昔からコーヒー飲んでたよ。小豆をフライパンで炒ってカリカリにしてさ。

小さな石臼で挽くんだよ。3回くらい挽いて細かくして。手がかかるけど安くつくよ」

 

「北海道だから、いい小豆があるんですね?」

 

「そう。でも砂糖がちょっと不味いんだ。ビート糖っていうのが北海道の砂糖でさ」

 

「砂糖大根っていうやつですか?」

 

「そうそう。薄く切って水で煮て、煮汁は砂糖水として1升びんに入れて。

甘みの抜けたやつは天日で干しておやつにするんだ」

 

「小豆のコーヒーにビート糖を入れて。北海道だから牛乳は美味しいですよね?」

 

「そう! 新鮮なミルクをたっぷり入れるんだ!」

 

どんどん美味しそうな笑顔になってきたKさんです。
 



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