「編み物」2014.12.5

洒落たセーターを着ておられるSさんに
 

「素敵なセーターですね。ニットがお好きなんですか?」
 

「あら、ありがとう。毛糸は暖かいからいいわね」
 

「ご自分でも編み物をされていました?」
 

「あら、分かる? 手編みも機械編みもしてたのよ」
 

「機械編みは流行したんですね?」
 

「場所を取るから捨ててしまったけど、いろいろ編んだわ」
 

「昔は赤ちゃんのものとか、みんな編んでましたね?」
 

「自分で作らないと売ってなかったもの」
 

「毛糸は ほどいて編み直せるからいいですね?」
 

「そうそう。子供が大きくなるたびに編み直したものよ」
 

暖かい笑顔で答えてくださいました。


「もらい風呂」2014.12.3

「昔は風呂を沸かすのは大変じゃけんね。毎日は、せんかったよ」
 

「じゃあ、お風呂に入るのは3日に1回くらいなんですか?」
 

「そのかわり、もらい風呂に行くんじゃ」
 

「よその家のお風呂に入れてもらうんですか?」
 

「煙の上がってる家は風呂を沸かしてるから『入れて〜』
 

と言って行くと、何人か並んで待っとるの」
 

「決まった家じゃなくて、どこでもいいんですか?」
 

「村じゅう知り合いじゃから、入れてくれる家は何十軒もあったな」
 

「Kさんの家が沸かした日には、みんなが入りに来るんですか?」
 

「村の人が来る前に早く入れ!ってよく叱られたわ」
 

今じゃ考えられんなあ、と笑うお風呂好きのKさんです。


「ウェディングドレス」2014.11.28

クリスマスカード作りを楽しそうにされていたSさんに
 

「手芸がお好きそうですね?」
 

「手芸もだけど若い頃から洋裁が好きでね」
 

「ご自分の洋服をお作りになられていたんですか?」
 

「娘のウェディングドレスも作ったのよ。レースを買ってきてね」
 

「レースのウェディングドレスって、すごく難しいですよね?」
 

「そう。難しいのよ。でも一生懸命作ったの」
 

「最高のプレゼントですね。娘さんの宝物でしょうね」
 

「孫が来年結婚するときに、それを着てくれるんですって」
 

「お母さまの着たドレスを、その娘さんも着るんですね?
 

しかも、おばあ様が作られたドレスだなんて素敵!」
 

いつも控えめなSさんが満面の笑みを浮かべられました。


「島育ち」2014.11.26

淡路島出身のNさんに
 

「泳ぎは得意でした?」と訊くと
 

「連絡船の通るとこらへんまで、泳いで行ってたの」
 

「足がつかないくらい深いですよね?」
 

「そら、船が通れるくらいなんやから」
 

「誰かと一緒に泳ぐんですか?」
 

「友達がいなかったから、一人で泳いでたの」
 

「一人だと危なくないですか?」
 

「同じくらいの年の子がいなくて、いつも一人やったの。
 

でも泳ぎは得意やから怖くなかったよ」
 

子どもの頃の話になると関西ことばが出るNさんです。


「押し葉」2014.11.24

「中庭のイチョウがすっかり色づいたわね」とTさん。
 

「子供の頃、きれいな落ち葉を集めませんでした?」
 

「集めたわね。虫の喰ってない、きれいな葉っぱを」
 

「押し葉にしませんでした?」
 

「そうそう。新聞紙に挟んで重しを乗せるのよ」
 

「何を重しにするんですか?」
 

「分厚い本とかね」
 

「百科事典なんかですね?」
 

「そう。百科事典が重くていいのよ」
 

「うちには ”こども百科事典” というのがありました」
 

「あら!そうよ。それを重しに使ってたわ」
 

イチョウの葉の ”しおり” を思い浮かべました。


「ヘアピース」2014.11.14

「女学校は学年によって髪型が違ったの」とSさん。
 

「規則で決まっているんですか?」
 

「そう。1年生はおかっぱで、2年生は横わけ、
 

3年生は一つに結んで、4年生は三つ編みなの」
 

「じゃあ髪型で何年生なのか分かりますね?」
 

「下級生は上級生の髪型に憧れるの」
 

「だんだん長くなっていくんですね?」
 

「でも今はヘアピースになっちゃったのよ」
 

少し残念そうに、ふふっと笑われました。


「三助さん」2014.11.12

お風呂でアイさんの背中を流しながら
 

「昔の銭湯には”三助さん”がいたそうですね?」
 

「いたよ、三助さん。髪も体も全部洗ってくれるの」
 

「背中だけじゃないんですか?」
 

「お湯を汲むところから何から何までしてくれるの」
 

「女湯にもいたんですか?」
 

「そう、男の人が二人くらい居たね」
 

「たくさんの人が洗ってもらうからですか?」
 

「そんなに頼む人はいなかったけどね。
 

湯銭が7銭で三助さんの流し賃も7銭なんだもの」
 

「けっこう高いんですね?」
 

「金持ちのご隠居くらいしか使ってなかったね」
 

「アイさんは洗って貰ったことはないんですか?」
 

「若かったからね。戦争前の話だもの。
 

今はあんたに流して貰っていい気持ちだよ」
 

にっこり笑われました。



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