その141 「栗拾い」

幼稚園で栗拾いに行ったことがある。

秋の遠足として バスで出かけたと思う。

 

前日からいろいろな噂が飛び交っていて

拾った分はまとめてみんなに分配するとか

栗はひとり10個までと決まっているとか

園児の間でまことしやかに囁かれていた。

 

栗拾い園に行くと いがいがの栗は落ちてなくて

つやつやした茶色の栗が 園児のために

いかにもわざとらしく ばら撒かれていた。

 

なんという子供だましだと少し腹を立てて

かいちゃんは栗を拾わずにぶらぶらと遊んでいた。

拾わなくてもどうせ10個ずつ配られるのだと

たかをくくっていたのであった。

 

10個未満しか拾えなかった子は帰りのバスの中で

先生から10個になるように栗を足してもらった。

ひとつも拾わなかったかいちゃんも10個もらった。

 

唯一の誤算は10個以上拾った子は

多いからといって取り上げられることはなく

拾った分を全部持って帰れることだった。

 

こんなことなら頑張って拾えば良かったと

かいちゃんは激しく後悔した。



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