その98 「干しエビ」

夏の日曜日の昼食はたいてい そうめんで

母はそうめんつゆのダシを干しエビでとっていた。

 

作るところは見ていないのだが

アルマイトの片手鍋に透きとおったつゆが

氷といっしょにちゃぷちゃぷと入っていた。

 

アルマイトの鍋は使いこまれて

あちこちべこべこ へこんでいて、

持ち手の一部は少し溶けたように焦げていた。

 

薄口醤油を使っているので つゆの色は飴色で

底に干しエビがころころ沈んでいるのが見える。

 

人数分のガラスの容器に つゆを分けるとき

干しエビも一緒に入れてもらう。

姉がいると取り合いになるので

均等に母が分けてくれる。

 

かいちゃんは本当は蕎麦のほうが好きだったが

そうめんに文句を言わなかったのは

この干しエビが食べたかったからに他ならない。



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