映画 「イヴの総て」 (1950年)

大女優マーゴのファンだと称する女優志望の娘イヴ。

気まぐれにイヴを付き人にして目をかけるマーゴだが

しだいにイヴは劇作家や演劇評論家に取り入り

マーゴを陥れて女優への階段を駆け上ってゆく。

 

マーゴ役のベティ・デイビスがすごい存在感。

画面に映ったただけで大女優の役だと分かるし

メイクしたときの美しさと、疲れた素顔のギャップが

映画全体のリアリティをガシッと支えている。

観おわってから「あれ?モノクロだったんだ⁉」と

自分の目が信じられないほど頭の中は総天然色であった。

 


「赤道の下のマクベス」 鄭 義信

1947年シンガポール、チャンギ刑務所

BC級戦犯として収容されていた日本人と元日本人だった朝鮮人の物語。

 

誰が戦争を始めたのか。誰が人を殺させたのか。誰が同胞を殴ったのか。

明日には執行されるかもしれない絞首刑。
明日のことは知らない。それでも生きている。
ああ、歴史の事実が重い……。

「焼肉ドラゴン」 鄭 義信

1960年代後半、大阪伊丹空港近くの集落

在日韓国人の集まる焼肉ドラゴン。

戦争で片腕を失くした店主と後妻と親の違う三人姉妹、

店主と妻の間に生まれた息子は中学校でいじめられている。

万博を控えた整備事業で店は立ち退きを迫られ、

娘たちは愛に悩み、男たちは差別に怒り、哀しみが交錯する。

それぞれが声高にわめきながら生きて行く中、

言葉を失った中学生の息子は死を選ぶ。

 

最後のシーン、

亭主のひく リヤカーにどかっと座り込む妻の姿が

それでも生きてゆく人間の強さを感じさせてくれて感動!

 

 


「かがみのかなたはたなかのなかに」 長塚圭史

海軍将校の たなか は鏡の中に かなた を見つける。

ひとりぼっちの たなか は 鏡の向こうの かなた と遊ぶ。
そこへやってきたピザ屋の こいけ。
こいけ が鏡の前に立つと 鏡の向こうには美しい けいこ。
たなか と かなた は じゃまなこいけ を海に葬り、
けいこを取り合って決闘を始める。
子どもも楽しめるお芝居だけど内容はちょっとコワい。
でも童話ってけっこうコワいもんだよね。
二人のダンサーと松たか子さんと長塚圭史さん、
コワくてステキな舞台になるのは間違いなし!

映画 「毒薬と老嬢」

裕福な老姉妹アビーとマーサは孤独な老人に安らぎを与えようと

屋敷に招き入れて毒入りのワインを勧め天国に旅立たせている。

同居する甥のテディは自分をルーズベルト大統領と信じ

地下室にパナマ運河を掘って死体を埋葬している。

叔母たちの秘密を知った甥モーティマーは

テディを施設に入れて犯罪を隠そうと奮闘するが、

脱獄した殺人犯の甥ジョナサンが突然屋敷にやってくる。

叔母たちと自分の殺した人数はどちらも12人。

対抗意識を燃やしたジョナサンはモーティマーを殺そうとする。


「まほろば」 蓬莱竜太

跡取りのいない田舎町(たぶん福岡県)の旧家。

男たちは祭りの神輿をかつぎに出払っている。

母親ヒロコ、姑タマエ、次女キョウコ

キョウコの男友達の娘マオ(11才)

前夜、東京から酔っぱらって帰ってきた長女ミドリ

さらに東京からキョウコの娘ユリア(20才)が帰ってくる。

 

こどもを産む、産まないという話題が軽妙に展開しながら、

家、世間、仕事、恋愛、時代、いろいろな問題が見え隠れする。

6人の女性のキャラクターと関係性がしっかりしていると

こんなにも戯曲は面白く書けるのか! 

2008年岸田國士戯曲賞受賞作

 

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「イロアセル」 倉持裕

誰かが話した言葉にはその人固有の色がついている。

だから誰も無責任な発言はしない。
そんな小さな島に本土から囚人と看守がやって来る。
言葉に色がつかない監獄で交わされる島民と囚人の会話。
嘘ばかりの政治家や大企業の社長。
とまどうスポーツ選手や前科者の女。
漏出した本音は島社会全体を崩壊させてゆく。
あきらかな悪意、ひそやかな悪意、善意にかくされた悪意。
感情を描かない短い言葉のやりとりとで
しだいに相手を追い込んでいきチェックメイトをかけるような
こういう文章、とても好き。

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