その197 「すり鉢と すりこぎ」

台所の手伝いをほとんどしなかったが

すり鉢で胡麻を摺るときだけは母に呼ばれた。

すり鉢を押さえているのが かいちゃんの仕事である。

 

胡麻はゴマ炒り器で炒ってから すり鉢で摺る。

7人家族だったので すり鉢は大きく

かいちゃんの頭がすっぽり入るほどだった。

 

まず胡麻をすりこぎの頭でぐりぐりと押し潰す。

最初から勢いよく すりこぎを回すと

胡麻がぴょんぴょん 跳ねるからである。

 

すりこぎは右手でしっかり握って

左手は上のところにパーのかたちで軽く添える。

握った右手のすぐ上のあたりを支点にして

右手と左手の回転をずらして回すのがコツである。

 

摺りつぶされた胡麻からは香ばしい匂いがして

その中に砂糖やみりんを加えて味を調整し

最後に茹でたほうれん草を入れて さっと混ぜる。

 

美味しそうではあるが

かいちゃんは ほうれん草があまり好きではなかった。



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