その182 「油拭きとスケート」

小学校の木の床を油拭きするときは

しゅろ箒で いつもより丁寧に床を掃く。

 

バケツに入った茶色っぽい液はどろっとしていて

消毒薬のような油臭いような変な臭いがする。

 

白い布紐がびろびろと束になったようなモップを

バケツにそろそろと浸けると

モップは黄色いような茶色のような色に染まる。

 

ぼとぼとと滴を垂らしながらバケツから引き揚げ

床に液体を塗っていくのだが

自分では やった覚えがないのに

やけにそのシーンをはっきりと憶えている。

 

「油を塗ったところは歩かないように」

と言われているのに、先生の目を盗んで

不届きな男子が「スケート!」などと言って

ずるずる滑って遊んでいる。

 

中のひとりが、たいてい転んで服を茶色にし

「あーあ」と 大げさに嘆くのだが

むしろそういう子は、男子の中で尊敬されている。

 

まじめな男子や女の子たちは

「あの子ら、ほんまにアホやな」と冷笑するのだが

その中にも教室の棚に体操服を忘れている子がいて

先生に叱られながら爪先立ちで取りに行くのである。



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