その180 「教室のストーブ」

3年生のときに小学校は新築になったが

それまでは木造二階建ての古い建物だった。

 

部屋の真ん中に大きな樽型のストーブがあり

用務員のおじさんが石炭を入れにきていた。

 

ストーブには太い煙突が付いていて

排気は教室の外に出るようになっている。

それでも炭が燃えるあたたかい匂いは

教室中にひたひたと充ちていた。

 

ストーブでお弁当を温めたという話をよく聞くが

かいちゃんの小学校は給食だったので

そういう覚えは全く無い。

 

ストーブのそばの席は暖かいはずだが

よほど寒くないと火はつけて貰えず

むしろ窓際のほうが陽が入るので

座席に関する争いや葛藤はなかった。

 

ストーブの周りは金網で囲ってあったと思うのだが

一度、髪の長い女の子が勢いよく振り向いた拍子に

髪の毛の先が熱せられた煙突に当たって

ちゅんという音がして溶けてしまった。

 

いつも先生から「ストーブのそばで暴れたらあかん」 と

注意されていたことの意味が分かって

かいちゃんのクラスには暴れる子がいなくなった。



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