その179 「銀行の手帳」

年末に母に連れられて銀行に行く楽しみは

新しい手帳を貰うことであった。

 

縦横の比が2:1くらいの細長い手帳で色は黒か紺。

銀行のマークの付いた紙袋に 恭しく入っていた。

 

背表紙のところには細い鉛筆が刺さっているが

細くて短いのでとても書きにくい。

鉛筆の頭は大学の帽子のようになっていて

手帳に挿さむ しおり紐が付いている。

 

前のほうはスケジュール帳になっていて

途中から罫線だけが入ったページが続く。

後ろのほうはアドレス帳で、そのあとには

単位換算表だとか外国の通貨単位とか

預金の種類だとか金利だとか が

びっしりと小さな字で書いてあった。

 

かいちゃんは毎年この手帳を手に入れて

まずはお年玉を誰からいくら貰ったかを書く。

 

自分の名前と住所と、友だちの名前も書くが

住所を知っている友だちは数人しかいないので

あっという間に書くことがなくなる。

 

スケジュールのところに『始業式』だとか

出かけたことなどを書くが、これもそんなに無い。

 

1月が終わる前に手帳は引き出しの奥に入り

年末のゴミ出しのときまで開かれることはない。



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