その138 「台風と あいやん」

家の前の坂をずんずん下っていくと

千里川という、幅4メートルほどの川があって

うっそうと木々に囲まれていたのが

突然開けて、川沿いに家が建った。

 

ひどい雨台風の翌朝、学校に行くと

「千里川が氾濫して ”あいやん” の家が水に浸かった」

と噂になっていた。

 

”あいやん” は勉強のできる男の子であったが

やたらに激しやすい性格で すぐにカッカと怒るので

『瞬間湯沸かし器』というあだ名が付いていた。

 

『水に浸かった』というのがどういう状態なのか、

ぜひ見てみたいと思っていたら

「危ないので絶対に行ってはいけません」と

先生に先手を打たれてしまった。

 

あいやんは3日ほど休んで学校に来たが

一階の畳を抱えて二階に避難したとか

トイレのスリッパがぷかぷか浮いていたとか

臨場感あふれる話で一躍クラスの人気者になった。

 

同情しながらも かいちゃんは

あいやんがぷりぷり怒りながら片づけている姿を

思い浮かべて くすっと笑った。



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