その132 「こおろぎ」

虫が好きだったわけではないが

こおろぎは飼った覚えがある。

 

学研の「科学」という雑誌をとっていたから

付録に飼育箱が付いていたのだと思う。

プラスチックの四角い透明な箱で、

蓋は緑色で空気が通るようにしましまだった。

 

土を3センチくらい入れて こおろぎを入れる。

なすとかきゅうりとか、すいかの皮が食事である。

 

「じかに土に付くとカビたり腐ったりする」 と姉が言うので、

爪楊枝に刺して土から浮くようにした。

 

すぐに干からびるので結構こまめに替えていたが

新しいものを入れると嬉しそうに食べてくれるので

面倒くさがりやの かいちゃんにしては頑張った。

 

あるとき一匹がころころに太ってきたと思ったら

お尻の先を土の中に入れて、なにやらうごうごしていた。

 

そのうちに小さいこおろぎらしきものが

わらわらと飼育箱の中に出現した。

 

こどもが産まれたのだな、と少し感動していると

あっという間に親が食べてしまった。

 

ちゃんと食事をやっているのに

なんとひどいことをするのだと、

かいちゃんは土ごと こおろぎを草むらに捨てた。



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