その113 「もんごイカ」

洲本にいる叔父は寿司屋をやっていて

かいちゃんが大阪に帰る前の日には

カウンターでお寿司を食べさせてくれた。

 

カウンターの上に ”ばらん”という緑いろの葉っぱを敷いて

はしっこのところに薄いピンク色の

甘酸っぱい生姜を乗せてくれる。

 

大きくて重い お湯呑みには

魚へん の漢字がいっぱい書いてあった。

 

魚の名前が分からないので適当に握って貰っていたが

透きとおったイカを噛んだとき ウッと喉に詰まりそうになった。

 

イカの身は口の中でトロトロと溶けはじめたのだ。

 

かいちゃんはトロトロしたものが嫌いだったが

せっかく握ってくれた叔父に悪いと思い

涙をこらえて必死で飲み込んだ。

 

あとから母にその話をすると

「紋甲イカやったんとちゃうかなあ」と言うので

今後イカを握ってもらうときは

「”もんご” じゃないやつを」と注文しようと思った。



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