その112 「井戸水」

海から上がってそのまま

ぺたぺたと道路を渡ると祖父の家だった。

 

家の前には井戸があって、そこで頭から水をかぶる。

 

鉄でできたポンプには弓なりのレバーが付いていて

力を入れて3,4回上下に動かすと

太い蛇口から水がどおーっと出て来る。

 

蛇口にはガーゼの布のようなものが被せてあって

ごみや砂を漉すようになっていた。

 

井戸は石で組んであって

小さいカニが隙間で動いていたりする。

 

井戸水は冷たくて、

息を詰めて急いで全身を洗おうとするのだが

こまかい海の砂は肌に貼りついてなかなか取れない。

 

かいちゃんは海水浴が好きだったが

これだけが困ったものだと思っていた。



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