その75 「かき氷」

叔父の寿司屋のある通りの角に ”食堂” があった。

 

うどんと丼物の小さな店だが2方向にガラス戸があり

明るくて広い感じがする。

夏になると『かき氷』の器械が店先に据えられた。

 

かき氷器は青い鉄のかたまりで

片側に大きな丸いハンドルが縦に付いている。

 

パーマネントをかけたおばさんが箱の中から

大きくて四角い透明な氷を取り出して

器械の中ほどの丸いテーブルのようなところに どんと置く。

 

とげとげのフタのようなものを下ろして氷を固定し、

ハンドルを回すと しゃーしゃーしゃーと

雪のような氷が削られて出てくる。

 

店の中で食べるかき氷は

小さな金魚鉢のようなガラスの容れ物に入れてくれる。

透明で周りがフリルのようにひらひらしていて

いちばん外側にだけ赤とか緑の線が入っているやつだ。

 

それを横目で見ながら

ホーローのボウルを持たされた かいちゃんは

赤い”みつ” をかけてもらった山盛りのかき氷を

溶けないうちに叔父の家まで持って帰るのだった。



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