その56 「クリサンテーム」

上の姉とは9才、下の姉とは8才違いだったので

姉どうしは年子だったわけだが

上の姉は”おとな”で 下の姉は”こども”だと

かいちゃんはなんとなく、そう分類していた。

 

上の姉は高校を出て大手の都市銀行に就職し、

英語の成績が良かったので外国為替部に配属された。

 

外国為替部のある本店は大阪の淀屋橋にあり

『クリサンテーム』というケーキ屋が近くにあったらしい。

姉は給料日には必ずここのケーキを買ってきてくれた。

 

モンブランだとかプリン・ア・ラ・モードだとか

おしゃれな名前のケーキは夢のように美味しかった。

 

ケーキの箱を包んでいた包装紙も

大切に取っておいてブックカバーにしたりした。

 

姉は22才で結婚して勤めを辞めたが、

それまで毎月ケーキを買ってきてくれた。

 

ケーキを買うのは”おとな”にしかできないことだと

かいちゃんは思っていたのであろう。



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