その176 「バケツの氷」

冬休みが終わって学校に行くときには

寒さが ずんと厳しくなっている。

 

雪はたまにしか降らないが

舗装されていない道が多かったので

霜柱がいっぱい立っている。

 

まだ誰にも踏まれていない霜柱を踏むと

しゃりんと潰れて靴の底がきゅっと鳴る。

 

学校へ行く道端には あちこちに

水の入ったバケツや漬物の樽のようなものがあって

表面がすっかり凍ってしまっている。

 

金魚鉢がわりの火鉢の表面もすっかり凍って

中の金魚は大丈夫だろうかと

みんなで代わるがわる覗き込むが

石の陰に隠れているのか姿が見えない。

 

学校から帰る頃には気温が上がっていて

氷の縁(ふち)が溶けているので

指で押すと氷がずぶずぶと水の中に沈む。

 

うまく取り出せた氷は 透きとおった丸いガラスのようで、

ぽたぽた雫が垂れて手袋が濡れるのだが

両手で大切に持って見せあいっこした。



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